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2021.06.08
「新型コロナの影響で、、〇〇〇」
という言葉が、昨年から世の中に浸透しています。
そして、「コロナの影響」は、イベントの中止や縮小、自粛へ。。。
また、巷の生業に直接関係する経済活動にまで影響が及んでいます。
そして、なんと、、その影響は、木材にまで及んでいるのです!!
「え~~~!」
「ウッドショック」 でgoogle検索しようとすると、
「ウッドショック いつまで」や「ウッドショック 価格高騰」などの検索候補が出てきます。
この言葉、今年になって静かに大きく広がってきているようです。。
日本国内では、その強度から家の柱等によく使用されている米松や、集成材などが特に不足してきているとのことです。
◆理由として一番に挙げられるのは、
アメリカの戸建てブームと、中国の住宅ブームによる輸入木材の買い占めにより、
木材の需要が急増している
ということです。
世界的なリモートワークの推進により、住宅事情への意識が高まり、住宅ローンの金利政策も大きく影響して、郊外へ家を建てる人が増加しました。
その影響で木材需要が急増しているという事らしいのです。
中国は、独自の住宅事情があるようですが、低金利政策は共通しており、住宅の質への需要も高まりつつある近年、都市部や都市近郊での大規模な新築戸建てやマンションへの需要を見越して、建設中の物件が急増しているとか。。
まさに、この2大国では住宅ブームが起こっているのです!
(林野庁:木材輸入の状況について(令和3年6月))
◆アメリカでの木材需要の急増で、アメリカや北米の木材が品薄になり、価格が高騰。(左図)
◆国内産(米国)では需要を満たせず、海外からの木材輸入の急増とコロナ禍での港湾の処理能力低下が重なり、北米にコンテナが滞留して、アジアでのコンテナが不足・海上輸送運賃も急上昇。(右図)
よって、木材(外材)の輸入コストが急上昇している中、
日本は完全に買い負けして、輸入量がどんどん減っているのが現状らしいのです。。
(中国は、高値でも買うので、木材輸入市場で大幅に買い勝ちしています。)
そして、日本国産材さえも中国やアメリカへの輸出が急増しており、供給が間に合っていないという事です。
(中でも、九州の木材を大手企業が輸出用に買い占めに来ている、と地元の材木店さんがお話してくれました。)
でも、、これは「チャンス!」と思わずにはいられません。短絡的ですが、、、
なぜなら日本は本来、国土の7割を森林が占めている『森林大国』だからです。
日本は第2次大戦後より植林政策を継続していましたが、安くて供給量が安定している外材が、市場の7~8割を占めている状態でした。
そのことを考えると、このウッドショックという状況は、有り余っているはずの国産木材へシフトできる、チャンスのように思えます。
日本の森林について、詳しくは過去記事 ”自然素材の良いところ♪【ふくろうが福岡県産耳納杉の無垢床材にこだわるワケ③】”を読んでくださいね♪
◇他国に買い負けし、コンテナも木材も確保できないのなら、国産材の供給を増大して、確保できるようにすれば良いのでは?
◇「ウッドマイレージ」なるものも、大幅に軽減できる??
◇これはチャンスでは???
と、思ってしまいます。
供給を増加させるには、国の補助金等の改正や人員の確保が
必要となりますが、現状ではその動きがなかなか取りづらい様で、、
■ 長年かけて需要が伸びずに、作業に見合うお金のバランスも見込めず、補助金により細々と続けられてきた日本の林業に、すぐに人手を増やせない現実。
■ 住宅ブームは、文字通り暫定的な金利政策に依っているもので、コロナの影響での市場の推移も、いつまで続くか見込めない状況。
などから、 供給量を一気にアップ!!
という訳にはいかないようです。。
林業に携わる職種は多様で分業となっており、一括でイニシアティブをとるには、行政の力が必要不可欠だと思います。
ふくろうが目指す、「住まいの地産地消」。
創業以来、変わらない想いで福岡県産耳納杉を選び続けているのですが、
もし、今の現状がさらに続き、国産材の在庫の確保が難しくなってしまうと、
「つくらし」をこれまでのように、つくっていけなくなる可能性があるのです。。
『より良い暮らしを提供したい。心身ともに健康になっていただきたい。』
これからも、この想いを守っていきたいです。
国産材の供給量をあげ、その場限りでなく、恒久的に国の林業を守るためには、
それを選んでいただく皆さまの存在が必要不可欠です。
それから、行政による林業政策のイニシアティブがより必要でしょう。
例えば、新潟県などでは、県産の木材を使っての新築やリフォームに、補助金が出る様です →新潟県産材家づくり支援事業のお知らせ
なんと、施工主さんにも、工事を扱う工務店にも補助金があてられると。。
素晴らしいですね♪♪
地産地消のルートが、しっかりと地域経済に根付いていれば、外国の住宅ブームに巻き込まれ、品薄でつくれない。。というような事態もないでしょうし、買い負けしないように、質と値段が見合わないものを無理して買う必要もありません。
その土地で守られ、育てられた木材を使う事で、その土地の人たちが恩恵を頂く。
これこそサスティナブルな(持続可能な)経済ではないでしょうか。
それなら、我らが福岡県はどうでしょう??
ありました! ふくおか県産材家づくり推進助成制度
しかし、、木造の新築戸建てに限るそうです。。残念!!
県産材の使用を推進する事業ならば、対象の幅を広げて欲しいです♪
より良い今と未来へ向けて、
食べ物や住まいに至るまで、「地産地消」が全国的に広がっていきますように!
まずは自分と自分の半径3メートルくらいの、何か小さな一つから♪
福岡県産の耳納杉無垢材を使用した『つくらし』をご見学されたい方はこちらから
無垢材の心地よい肌触りをご体感できます♪